子どもには、優しさの前にワガママを知ってほしい

おままごとの布団に横たわる猫

年齢の近い子ども同士で遊んでいると、相手の使っているものを自分も欲しくなる、そんなときがあります。

「それ、貸ーしーてー」と1人の子が相手の子に手を伸ばす。
保育園では日常茶飯事のそんな光景は、お母さんが子連れでママ友と会うときにもきっと見られますよね。

もし他人の子どもが自分の子どもに「それ貸して」と訴えたとき、あなたはご自分のお子さんにどんな声をかけますか?
「いいよ、でしょ?」と貸してあげることを促す。
その結果、あなたのお子さんが自分のおもちゃを相手に差し出してあげられれば、一件落着です。

・・・本当にそうでしょうか?

 

この子は、嫌なときには「イヤ!」と他人に向かって言える子なのでしょうか。

もしできないのなら、「いいよ」を求めるのは、この子が「イヤ!」の気持ちを存分に言葉にできるようになってからの話です。

大人が子どもに最初に教えるべきなのは、「嫌なことはイヤって言っていいんだよ」ということです。
友達の気持ちを考える優しさよりも、お母さんを怒らせることへの恐れよりも、この子に一番最初に知ってほしいのは、自分の気持ちにぴったりの言葉を見つけ、口にすることです。

もちろん、他人の顔色を気にしながら渋々口にする言葉も、社会を生きていくためには欠かせない力です。
でも、それを身につけるのは後でいい。

 

小さな子どものそばにいる大人に必要なのは、子どもの本心に一番近い言葉を必死に考えて、気持ちと言葉とをつなげてあげることだと思うんです。

「あなたは今、きっとこんな気持ちなんだろうね。それにはこの言葉がぴったりだよ。」って子どもに言葉を差し出してあげる。

僕自身、そんな保育士でいられたらいいな、と思います。