ゲスト席から動かずにどこまで撮れる?持ち込み禁止式場での挙式撮影

バージンロード上の花びら

こんにちは、ウェディングフォトグラファーの松元 馨(かおる)です。

カメラマン持ち込み禁止の式場でも、外部カメラマンを一人のゲストとして招待することで、結婚式を撮影してもらうことができます。
この場合、一ゲストの立場である持ち込みカメラマンは、挙式中は他のゲストと同様に席から動くことはできません。

そこで今回は、挙式中に「カメラマンがゲスト席から動かずに撮影した写真」と「自由に動きながら撮影した写真」を見比べてみましょう。

また、「席の位置によって撮れる写真がどう変わるか」もご説明するので、持ち込み禁止式場での挙式写真をイメージするのに役立ててください。

「ゲスト席固定撮影の写真」と「動きながら撮影した写真」を見比べてみよう

私がゲスト席から挙式を撮影するときには、新郎新婦からのご希望がない限り、下の図のような場所を選ぶことが多いです。

「どうしてもっと前に行かないの?」というご質問には後ほどお答えするとして、まずはこのゲスト席から撮った写真と、自由に動きながら撮った写真とをシーンごとに見比べてみましょう。ここでは、キリスト教式の挙式を例とします。

新郎入場

チャペル前方の祭壇近くから撮っています。

ゲスト席からでも、入場する新郎の表情を問題なく撮ることができます。

ベールダウン

ベールダウンをするお母さん

前方の祭壇前から撮った写真。新婦とお母さんの表情がわかる横顔のカットになっています。

ゲスト席からでも新婦とお母さんの横顔は問題なく撮れます。カメラマンの後ろに座っているゲストの姿勢によっては、腕などが写り込むことがあります。

入場

プリンチパーレのバージンロードを進む新婦とお父さん

お父さんと入場する新婦さんの姿。チャペル前方の祭壇前から撮っているので、ほぼ正面から二人の表情を写すことができます。

お父さんと腕を組んで入場する新婦

先ほどの写真と角度はやや異なるものの、ゲスト席からでも入場する二人の表情はしっかりと撮ることができます。

入場する新婦の背中を見つめるお母さん

お母さんの立ち位置によっては、バージンロードを進む新婦&お父さんの背中を見守る表情が撮れることもあります。

バトンタッチ

新婦の手を新郎に差し出すお父さん

チャペルの祭壇付近から撮った写真。新郎の表情は見えませんが、新婦とお父さんの表情は写っています。バージンロードの広さや立ち位置によっては、新婦とお父さんの表情も隠れてしまうことがあります。

お父さんから新郎へのバトンタッチ

ゲスト席からだと新婦とお父さんは後ろ姿となり、表情を残せるのは新郎のみになります。立ち位置によっては、新郎の表情も隠れてうまく撮れない場合もあります。

※ カメラマンの席をもっと前(最前列はご両親の席なので二列目あたり)にすれば新婦とお父さんの表情も撮れるかもしれませんが、やはり立ち位置によるので確実ではありません。また、前方は親族席になるので、事前にご親族の皆さんに事情を説明しておく必要があります。

聖歌〜誓いの言葉など

入場後はしばらく、新郎新婦がゲストに背を向けるシーンが続きます。祭壇上も立ち入りOKのチャペルであればこのように新郎新婦の表情を撮ることができます。

※ 祭壇立ち入りNGのチャペルの場合は前に回り込めないため、牧師と向かい合う新郎新婦の表情を撮れない場合もあります。一般的に、祭壇立ち入りNGのチャペルの方が多いです。

ゲスト席から撮れる新郎新婦の写真は後ろ姿のみになります。

ゲストの様子

挙式中にはプログラムの合間に様々な角度からゲストを撮ることができます。

自由に動くことができれば、最前列に座っているご家族の表情も撮れます。

カメラマンよりも後方の席のゲストに限り、その表情を撮ることができます。

ご家族のようにカメラマンよりも前の席に座っている人の表情は、挙式中はほとんど撮れません。新郎新婦退場のときにはご家族も後ろを向くので撮れることもありますが、他のゲストの立ち位置に左右されるので確実ではありません。

指輪交換、ベールアップなど

このように新郎新婦が向かい合う場面では、バージンロードの最後方から撮影することが多いです。二人の横顔の写真を撮ることができます。

「ゲスト席からの撮影」でも「自由に動いての撮影」と同じように、新郎新婦の横顔を撮ることができます。

署名

結婚証明書に署名をするシーン。祭壇の右側に回り込んで撮っています。署名台の位置や新郎新婦の立ち位置によっては、二人の表情を撮れないこともあります。

新郎新婦がゲスト席の方を向いて署名する場合は、その表情を撮ることができます。

逆に、新郎新婦が奥に向かって署名する場合は、後ろ姿の写真になります。

退場

フラワーシャワーを受けながら退場する新郎新婦

バージンロード最後方から撮っています。新郎新婦の表情がはっきりとわかりますね。

ゲスト席から撮ると、新郎新婦に加えて「カメラマンとバージンロードを隔てて反対側にいるゲスト」がたくさん写ります。上の写真では、カメラマンは新郎側のゲスト席から撮っているので新婦側のゲストがたくさん写っています。

ゲスト席から「撮れるもの」と「撮れないもの」

ここまでのお話を踏まえて、改めてゲスト席から「撮れるもの」と「撮れないもの」をまとめると、次のようになります。

【ゲスト席からでも撮れる写真】

  • 入場する新郎
  • ベールダウン中の新婦とお母さん
  • バージンロードを進む新婦とお父さん
  • 指輪交換、ベールアップ〜ウェディングキス中の新郎新婦
  • 退場する新郎新婦とゲスト

【ゲスト席からだと撮れない写真】

  • バトンタッチ時の新婦&お父さんの表情
  • 聖歌〜誓いの言葉の新郎新婦の表情
  • 署名をする新郎新婦の表情(署名台の位置による)

持ち込みカメラマンには新郎側(右)と新婦側(左)どちらのゲスト席に座ってもらうべき?

先ほどの退場シーンでお話したように、カメラマンが新郎側(右)のゲスト席に座った場合は新婦側(左)のゲストの表情を撮りやすく、逆に新婦側(左)に座った場合は新郎側(右)のゲストの表情を撮りやすくなります。

挙式中の他のタイミングで、カメラマンが自席側のゲストの表情を撮ること自体は可能です。ただ、ゲストからすればそばに座っているカメラマンから至近距離でカメラを向けられることになり、不快感を抱かせてしまうかもしれません。

退場する新郎新婦にカメラを向ける男性ゲスト

なので私の場合は、入退場のタイミング(上の写真)や、聖歌斉唱でゲストの視線が歌詞カードに落ちているときなど、カメラを向けても意識されにくいタイミングに自席側のゲストを撮影しています。

これらのことを踏まえて、事前に左右どちらの席に座ってほしいかをカメラマンと相談しておきましょう。

※ 写真だけでなく、ビデオのカメラマンも入る場合は、写真が新郎側(右)、ビデオが新婦側(左)となることが多いです。

前方ではなく、やや後方の席で撮る理由

「カメラマンの席は、できるだけ前の方がいい」と考えている人もいるようですが、そうとは限りません。バトンタッチシーンのように「前の席でしか撮れない写真」もありますが、「やや後方の席でしか撮れない写真」も意外と多いからです。

私がゲスト席で撮影するときには、新郎新婦からのご希望が特になければ、下の図のようにやや後方の席につくことが多いです。

前方ではなくやや後方の席から撮影する主な理由は、二つあります。

新郎新婦が向かい合うシーンで、二人の表情がわかる写真を撮れる

ベールアップをする新郎新婦

やや後方の席から撮影するメリットの一つは、指輪交換やベールアップのような「新郎新婦が向かい合うシーン」にあります。祭壇で向かい合う新郎新婦と少し距離をとったやや後方のゲスト席から撮影すれば、上の写真のように横顔から二人の表情がはっきりとわかる写真になります。

このシーンでカメラマンの席があまりに前過ぎると「新郎の背中越しの新婦」の写真になり、新郎の表情はほとんど見えなくなります。

退場時の新郎新婦+ゲストの表情を残せる

挙式中、ゲストが新郎新婦にお祝いの言葉をかけることができる唯一の場面が退場のときです。カメラマンの席がやや後方であれば、バージンロードを進むにつれて笑顔になっていく新郎新婦&言葉を交わすゲストの姿を撮ることができます。

同じシーンでカメラマンの席が前過ぎると、退場の開始直後に新郎新婦はカメラマンの前を通り過ぎてしまうため、撮れるのは二人の後ろ姿の写真になってしまいます。

キリスト教式よりも人前式の方が新郎新婦の表情を撮りやすい

最後に、挙式の形式による違いについて。上の写真は、人前式での誓いの言葉のシーンです。人前式ではキリスト教式とは違って牧師がいないため、誓いの言葉などのプログラムもゲストの方を向いて行うことが多く、ゲスト席からでも二人の表情を撮りやすくなります。

ゲスト席からの挙式写真は、あなたにとって本当に必要なもの?

今回ご紹介したゲスト席での挙式写真は、あくまでも「私が撮影した場合」のお話です。カメラマンによってはゲスト席から動けなくても私より多くの魅力的な写真を撮る人もいるでしょうし、逆のケースもあるでしょう。

大事なのは、「あなたが依頼を検討しているカメラマンが、大きな制限の中でどこまでの写真を撮ることができるか」を事前に知ることです。チャペルを自由に動きながら素敵な写真を撮ることのできるカメラマンが、ゲスト席での固定撮影でも同じく魅力的な写真を残してくれるとは限りません。

依頼を決める前に必ず、「過去に撮影したゲスト席からの挙式写真」をカメラマンに確認させてもらうのを忘れないでください。

その上で、ゲスト席からの挙式写真があなたにとって本当に残す価値があるものなのかを考えてみてください。

※ 挙式以外の写真については『カメラマン外注禁止の式場に持ち込みを決行したら、どれだけの写真を撮れるか?』にまとめているので、合わせてご覧ください。