KAORU MATSUMOTO Photographer

「手のかからない子」はいつも後まわし

1歳児クラスのお昼寝の時間。
布団の上で飛びはねてた男の子たちの背中をさすって寝かしつける。

ようやく部屋が静かになり始めたとき、一人の女の子の声が響いた。

「まつもと先生、トントンして」

僕は「じゅばんこで行くね。ちょっと待っててね」と言葉を返した。

男の子たちの寝かしつけが終わるころには、この女の子も眠っていた。
すーすーと寝息をたてる女の子にタオルケットをかけ直すとき、僕はとっても申し訳ない気持ちになる。

ご飯はよく食べ、着替えも自分でできる女の子。
「手のかからない子」だから、大人はいつも「手のかかる子」のところに行ってしまう。

このブログの中には、私が保育士として遭遇した子どもの姿に触れている記事があります。記事の公開にあたり、個人の特定につながらないよう必要に応じて人物の情報や状況を類似のものに置き換えています。