1歳児クラスのお昼寝の時間。
布団の上で飛びはねてた男の子たちの背中をさすって寝かしつける。
ようやく部屋が静かになり始めたとき、一人の女の子の声が響いた。
「まつもと先生、トントンして」
僕は「じゅばんこで行くね。ちょっと待っててね」と言葉を返した。
男の子たちの寝かしつけが終わるころには、この女の子も眠っていた。
すーすーと寝息をたてる女の子にタオルケットをかけ直すとき、僕はとっても申し訳ない気持ちになる。
ご飯はよく食べ、着替えも自分でできる女の子。
「手のかからない子」だから、大人はいつも「手のかかる子」のところに行ってしまう。