KAORU MATSUMOTO Photographer

モデル経験がない人のための
ポートレート撮影

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「睡眠薬混入わいせつ事件」から考える被写体の身の守り方

ポートレート撮影現場での、カメラマンによるセクハラ被害が絶えません。

強制わいせつだけでなく、2022年6月には個人撮影に出かけた被写体の女性が遺体で発見され、カメラマンが死体遺棄容疑で逮捕される事件まで起こっています。

この記事では、実際に起きた強制わいせつ事件を元に、面識のないカメラマンとやりとりをするときに気をつけるべきポイントを考えていきます。

千葉で起こった睡眠薬混入わいせつ事件

2022年1月、千葉県でカメラマンが準強制性交の疑いで逮捕されました。
報道によると、カメラマンはコスプレイベントに来ていた女子高生に個人撮影をもちかけ、車内での撮影中に飲み物を被写体の女性に差し出し、そのあと隙を見て女性の飲み物に睡眠薬を入れてわいせつ行為をしたとのことです。

同じ被害にあわないために、やるべきこと

この事件の問題点は、次の2つです。

  • 被写体女性が初対面の男性カメラマンとの密室空間での撮影に応じた
  • 得体の知れない相手から渡された飲み物を口にした

これを踏まえて、身を守るために何をすべきかを考えてみます。

どんなカメラマンでも、まず疑うこと

事前のやりとりがどんなに丁寧でも、そのカメラマンの作風がドストライクでも、面識のないカメラマンには必ず疑いの目をもってください。

モデルさんの中には「カメラマンのフォロワー数やメンション・タグ付けがある程度あれば信頼する」という人もいますが、それだけじゃ危ないです。

大阪で準強制わいせつの疑いで逮捕されたカメラマンのものと報道されているSNSアカウントは、フォロワー8000人、 フォロー700人で、モデルからもたくさんタグ付けされています。

また「プロカメラマンが撮影」「スタジオ所有」などの言葉も安心材料にはなりません。何の根拠もないですし、アカウントのプロフィール文は簡単に偽ることができますから。

カメラマンの顔や名前の確認

セクハラ被害にあった被写体さんから僕のところに、加害カメラマンのアカウント情報が送られてくることがあります。
彼らのアカウントは決まって匿名で顔出しをしていません。

顔や名前のような「簡単に変えられない情報」を知られると、悪さをしにくくなるんです。

得体の知れないカメラマンには、顔写真を求めるだけである程度の防犯効果があります。

とあるアマチュアの被写体さんから聞いた話ですが、被写体依頼をしてきた匿名カメラマンに顔写真を求めたところ、「こっちにも社会的立場があるんだ!プロのモデルでもないくせに何様だ!」と怒られたそうです。

相手の言葉に傷つくこともあるかもしれませんが、「危ないカメラマンとの撮影を未然に防げてラッキー」と前向きにとらえて次に進みましょう。

モデルさんの中には「撮影を始める前に、カメラマンに身分証を見せてもらって身元確認をしている」という人もいますが、この方法はオススメしません。
詳しくは↓のページを読んでみてください。

車移動、室内撮影を避ける

カメラマンが信用できるまでは、わずかな時間でも2人きりの環境を作ってはいけません。

「そんなの当たり前じゃん」と思った方へ。
撮影中に急に雨が降ってきて、カメラマンから「濡れちゃうからとりあえず乗って!」と車のドアを開けられたときに、冷静に断る自信が本当にありますか?

茨城県で起こった女性モデルの死体遺棄事件では、女性がカメラマンの車で移動し、撮影現場の室内に監禁され、後日遺体で見つかったと報道されています。

得体の知れないカメラマンとは、車移動やホテルなどの密室撮影はしないこと。
スタジオ撮影も始めのうちは断ってください。第三者が運営するスタジオではなく、カメラマンの自宅の一室をスタジオと呼んでモデルを連れ込むケースがあるからです。

海・山・森のように、時間帯によって人目がグッと少なくなる場所もNGです。
夕暮れの浜辺をバックにしたエモい写真は、信頼できるカメラマンに撮ってもらってください。

カメラマンが用意した飲食物は口にしない

差し出されたのが未開封に見えるペットボトルでも、事前にカメラマンが用意したものは一切口にしないでください。

以前インスタで「カメラマンからもらった飲み物を口にしますか?」というアンケートをとったところ、次の結果になりました。

「飲む」→ 34%
「自販機など、自分の目の前で購入してくれたものなら飲む(あらかじめ用意されたものは飲まない)」→60%
「一切飲まない」→6%

つまりカメラマンが被写体の目の前で購入した飲み物なら、94%の人が口にすることになります。

ここで思い出してください。
千葉で逮捕されたカメラマンは「被写体の女性に飲み物を渡したあと、隙をみて睡眠薬を混入」しているんです。

そのリスクを考えると、カメラマンが目の前で買ってくれた飲み物だけでなく、あなたが自分で用意した飲み物でも、席を外すときは肌身離さずに持ち歩いた方がいいです。

相手からのゴリ押しの善意を断るのが苦手な人は、事前にカメラマンに同意してもらう規約の中に「安全上の理由で、ご用意いただいた飲食物は受け取ることができません。ご了承ください」の一文を入れておきましょう。

「撮影規約なんて作ってない」という方は、↓の記事を参考にしてください。
トラブルを防ぐためにカメラマンとどんな約束をしておいたらいいか、例文を紹介しています。

今回は千葉で起きた強制わいせつ事件を元に、被写体の女性が身の安全を守る方法を考えてきました。

カメラマンとの事前やりとりから撮影当日、後日までに気をつけるべきポイントを↓のページにもまとめているので、こちらも読んでみてください。

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