ウェディングフォトグラファーの松元馨(まつもとかおる)です。
結婚式トラブルで多いのが料金問題。
「当日が近づくにつれて次々と料金が加算され、いつのまにか予算オーバー。最初の見積もりはなんだったの?」という花嫁さんは少なくありません。
その原因は、新郎新婦との成約にこぎつけるまでは「高ランク商品=高額」「低ランク商品=低額」という当たり前の説明を意図的に避け、魅力的な商品をリーズナブルに手に入れられるかのように思い込ませる式場の営業スタイルにあります。
大抵の場合、成約後にプランナーから「以前お伝えした見積もりは実は最低ランクのもので…」と種明かしが始まります。
そこで式場を変えようと思ったら、今度はキャンセル料の請求。
大事なことを事前に式場が教えてくれないのなら、こちらから聞き出すしかありません。
今回は、「結婚式の写真で後から追加されがちな料金と、最初から正確な見積もりをもらうためのポイント」のお話です。
撮影内容に関する追加料金
後出しの追加料金が多い式場にありがちなのが、次のようなケースです。
【成約前の説明】
「挙式・披露宴の撮影で◯万円です」
【成約後の説明】
「メイクシーンも撮りたいのなら+◯万、集合写真も撮りたいのなら+◯万です」
「最初から全部言ってよ!」って感じですよね。
こんな後出しじゃんけんが成立するのは、式場に「どうせ新郎新婦は結婚式の一日の細かい撮影内容なんて知らないでしょ」と思われているから。
ならば、一日を通してどんな撮影があるのかをここで把握してしまいましょう。
結婚式の一日にはこれだけの撮影がある
一般的な結婚式の一日に行われる撮影を、可能な限り細かく分けて書き出したのが以下のリストです。
- 式場の外観・内観、小物などのアイテム類
- ブライズルームでのお支度シーン
- 新郎新婦のポーズ写真(スタジオ)
- 新郎新婦のポーズ写真(スタジオ外)
- 親族紹介
- 親族集合写真
- 挙式リハーサル
- 挙式
- 全員集合写真
- 披露宴前半(お色直し中座まで)
- 中座エスコート役との記念写真
- 新郎新婦のポーズ写真(スタジオ)
- 披露宴後半
- フォトラウンド(ゲストとの記念写真)
- 新郎新婦+両家両親との記念写真
- ゲストのお見送り
- 新郎新婦のポーズ写真(スタジオ外)
※ 時系列に並んでいます。式場によって撮影の順番が異なります。
これらの撮影の中で、追加料金がかかるものとそうでないものとを、式場と成約をする前にはっきりさせておきましょう。
式場選びの段階で見積もりをもらったら、撮影内容一覧リスト(ダウンロード可)をプランナーに渡してください。
そして「このリストに書いてある撮影は、全て見積もりに含まれていますか?」と尋ねてみてください。見積もりに含まれていないものが判明したら、再度それらを含めた正確な見積もりを要求しましょう。
さらに、「このリストに載っていないもので当日撮影できる写真はあるか」「このリストの中で元々行なっていない撮影はあるか」の確認もしておきましょう。
スタジオ写真はデータをもらえないため焼き増しにお金がかかる
多くの式場で追加料金が発生するのは、次の三つの撮影です。
- スタジオでのポーズ写真
- 親族集合写真
- 全員集合写真
これらの写真はデータをもらうことができず、プリント済みの写真が皮や厚紙に貼られた状態(台紙という名前の商品)で届けられることが多いです。
データがもらえないということは、コピーができません。
「両親や親戚にあげるためにもう一部ほしい」という場合には、追加料金を払って買い足すことになります。
スタジオ写真のデータがもらえないことに後から気づく花嫁さんが意外と多いです。
撮影内容一覧リストの中で、「データをもらえない写真はどれか」も式場選びの段階で確認しておきましょう。
カメラマンを持ち込む場合には?
式場の専属カメラマンを利用せずに、自分で探した外部カメラマンを持ち込む場合には、更に別の名目の追加料金を請求されることがあります。詳しくは下の記事をご覧ください。