こんにちは、ウェディングフォトグラファーの松元馨(まつもとかおる)です。
今回ご紹介するのは、マグナス東京の結婚式です。
マグナス東京は、業者としての外部カメラマンは持ち込み禁止の式場です。
このような式場で外部カメラマンに結婚式を撮影してもらうためには、カメラマンをゲストとして招待する必要があります。この場合、カメラマンは、あくまでもゲストとして動ける範囲で撮影を行うことになるので、通常の撮影と比べて「撮れないもの」や「立ち入り禁止の場所」が増えます。
そこで今回は、ゲストとしての持ち込みカメラマンが「実際にどこまでの写真を撮れるのか」をお伝えします。
1日の流れを写真で追いつつ、撮影が難しい場面やマグナス東京ならではの注意点についてもご説明していくので、持ち込みの検討に役立ててください。
式場 | マグナス東京 |
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挙式会場 | チャペル |
挙式の形 | キリスト教式 |
披露宴会場 | バンケットルーム |
挙式月 | 5月下旬 |
CONTENTS
持ち込みカメラマンはどこまで撮らせてもらえる?
カメラマンは、あくまでも一ゲストの立場に過ぎないので、他のゲストが立ち入ることのできない場所・場面での撮影はできません。
具体的には、ブライズルーム・親族紹介・挙式リハーサルなどは撮影不可。ロケーション撮影(ポーズ写真)も、一ゲストの立場では撮らせてもらえないことが多いです。
挙式中は、ゲスト席からであれば撮影OK。
披露宴中は、自由に動きながらの撮影OKです。
受付・ウェルカムスペース
マグナス東京の建物。
よく晴れた気持ちのいい日でした。
挙式開始までに撮影できるのは、受付・ウェルカムスペースのみ
ビルの9階が受付・ウェルカムスペースになっています。
写真の右奥が受付。
写真左には、ウェルカムスペース装飾用のアイテムを置ける棚があります。
挙式が始まるまでは、持ち込みカメラマンは他のゲストと同様に、この受付フロアから出ることができません。
新郎新婦は、お支度完了→ポーズ写真(式場カメラマンにも依頼している場合)→挙式リハーサル→親族紹介と様々なプログラムに参加しますが、持ち込みカメラマンはそれらの様子を撮ることはできません。
アイテムの並んだ棚。
スペースがあるので、色々置けそうです。
棚に飾られた写真を見て笑うゲストの姿も。
受付の様子。
受付担当のゲストの記念写真も。
新郎新婦が見ることのできないゲストの姿を、ひたすら撮っていきます。
挙式
挙式の時間になると、ゲストはフロアを移動してチャペル前でオープンを待ちます。
カメラマンはゲスト席のどの辺りに座るべき?
この後、挙式が始まります。
挙式中は、持ち込みカメラマンも他のゲストと同様に、席から動くことはできません。
カメラマンの席についてですが、全ての場面をバランスよく撮るために、私は下の図の位置に席をとっています。
カメラマンの席が後ろ過ぎると、新郎新婦の入場のときに正面からの写真を撮りにくくなります。
一方でカメラマンの席が前過ぎると、今度は「新郎新婦退場」で、二人はカメラマンの前をすぐに通り過ぎてしまうので、その表情はほとんど撮れなくなってしまいます。また、指輪交換のように新郎新婦が向かい場面で、二人の表情(横顔)をしっかり撮るためにも、ある程度離れた距離が必要になります。
持ち込みカメラマンを選ぶときには「過去に撮ったゲスト席からの挙式写真」を見せてもらおう
マグナス東京のチャペル。
写真の奥には、式場のカメラマンの姿も。
外部カメラマンの持ち込みを考えている人は、式場カメラマンの写真やサービスに何らかの不満を感じている人が多いかと思います。それでもやっぱり、挙式中にチャペル内を自由に動きながら撮影できるという式場カメラマンの特権は大きいです。
検討している持ち込みカメラマンがいるのなら、依頼を決める前に必ず「過去に撮影したゲスト席からの挙式写真」を見せてもらいましょう。その写真に物足りなさを感じるのであれば、式場カメラマンと持ち込みカメラマンを併用するのも一つの方法です。
※ 「ゲスト席での挙式撮影」と「自由に動きながらの撮影」との具体的な写真の違いを下の記事にまとめています。合わせてご覧ください。

いよいよ開式。
結婚証明証を牧師に届けるはずが…
そばのゲストに差し出す男の子。
牧師の方を向いている人の表情はゲスト席からは撮れない
無事牧師の元に証明書が届けられました。
できれば証明書を渡す男の子の表情も撮ってあげたいのですが、後方に座っているゲストカメラマンでは難しいです。同じように、この後入場後に牧師と向かい合う新郎新婦の表情も、ゲスト席からではうまく撮ることができません。
もしキリスト教式の挙式にこだわりがなく、ゲスト席のカメラマンにも新郎新婦の表情をより多く残してほしいのなら、人前式を選ぶのも一つの手です。人前式では牧師を立てないので、式中の新郎新婦は指輪交換のように向かい合う場面以外は、ゲスト席の方を向いていることが多いからです。
席に戻ってきた男の子を迎えるお母さんの笑顔。
ただ、このような写真も、必ず撮れるとは限りません。
カメラマンよりも前の席にいるゲストの表情は、他のゲストの体に隠れて見えないことが多いからです。
新郎の入場。
新婦とお母さんの入場。
チャペル内に入ったら、向かい合ってベールダウンを行います。
今回は、ベールダウン後に新郎がチャペル後方まで新婦を迎えに行き、新郎新婦でバージンロードを歩いて牧師の元に向かうという流れでした。
二人の背中を見送るお母さん。
できるだけ、二人の目に映らないものもたくさん残せたらいいな、と思います。
高砂で牧師と対面する二人。
ちなみにゲストが起立するのは、「新婦入場」「聖歌斉唱」「新郎新婦退場」のときです。
なるべく不快感を与えない、至近距離でのゲスト撮影について
聖歌を歌うゲスト。
今回カメラマンは、新郎側のゲスト席にいます。その状況で新郎側ゲストの表情を撮るには、上の写真のように後ろを振り返って至近距離でゲストにカメラを向けなければなりません。
私の場合は、ゲストにできるだけ不快な思いをさせないように、「聖歌斉唱」で意識が手元の歌詞カードに向いているときや、「新郎新婦退場」で会場がにぎやかに盛り上がるときに限定して、そばのゲストを撮ることが多いです。
その辺りの考え方はカメラマンの価値観によって異なるので、ご自分の考えと合うカメラマンを選んでください。
式場カメラマンと持ち込みカメラマンを併用するときの注意
誓いを立てる新郎新婦。
ここからはしばらく二人が向かい合う時間が続くので、その表情(横顔)を撮ることができます。
ゲスト席のカメラマンが前方の新郎新婦の写真を撮るには、バージンロード側に少し身を乗り出す必要があります。
もし式場カメラマンも挙式撮影に入っている場合は、指輪交換のように新郎新婦が向かい合う場面では、バージンロード最後方から前方の新郎新婦を撮ることが多いです。
そのときに、ゲスト席から身を乗り出して撮影している持ち込みカメラマンの姿が、思いの外目立ってしまう可能性があります。
持ち込みカメラマンとしても、後ろにいる式場カメラマンの写真に自分がどの程度映り込んでしまっているかは確認のしようがなく、そもそも身を乗り出さずに挙式撮影をすることは不可能です。
式場カメラマンと持ち込みカメラマンを同時に挙式に入れる場合には、お互いの写真への映り込みも覚悟しておく必要があります。
「新郎から新婦」→「新婦から新郎」の順に指輪交換をします。
指輪が中々入らず二人はこの表情。ゲスト席からも笑いが。
指輪が相手の指にうまくはまらない場合には、できるところまでで止めて、続きは相手に自分で指輪をはめ込んでもらいましょう。
ベールアップ。
ウェディングキス。
キスを口や頬にする場合は、ゲストから新婦の顔がよく見えるように、新郎は右側(ゲストから見て奥)に顔を傾けましょう。
結婚証明書に署名。新郎→新婦の順に名前を書き入れます。
マグナス東京では署名台がゲストの方を向いているので、ゲスト席からでも二人の表情を撮れます。
証明書を披露する二人。
牧師による結婚宣言。
再び聖歌を歌います。
新郎新婦退場の前に、バブルシャワーの準備をするゲスト。
ゲストが飛ばすシャボン玉の中を歩く新郎新婦。
二人の背中の向こうのお母さん。
式場カメラマン撮影の集合写真に、持ち込みカメラマンは加わるべき?
挙式後に、チャペル前のフロアで全員集合写真を式場カメラマンが撮影します。
今回は持ち込みカメラマンもゲストの一人なので、建前としては集合写真の中に加わるべきです。最初から集合写真の輪から抜けていると、「あなたもゲストなんですよね?集合写真に入ってください」と式場スタッフに突っ込まれる可能性が高いです。
ただ、できれば持ち込みカメラマンを除いたゲストとの集合写真もお二人は欲しいかと思うので、私は集合写真撮影の最初だけ輪に加わり、途中で抜けて上のような写真を撮っています。
式場によっては、たくさん撮った集合写真を全て新郎新婦に渡さずに、カメラマンが選んだ1カットだけを渡すところもあります。その場合、持ち込みカメラマンも加わっている方のカットが選ばれてしまう可能性もあります。
前半はここまで。
(続きの披露宴編は、こちら↓)

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