KAORU MATSUMOTO Photographer

友人としてカメラマンを持ち込んだらバレる?式場の疑いをかわすポイント

ウェディングフォトグラファーの松元馨(まつもとかおる)です。

持ち込み禁止の式場では、カメラマンを一人の友人として招待することによって、結婚式を撮影してもらうことができます。

この場合、カメラマンは「業者」ではなく「新郎新婦の友人」として振舞わなければなりません。

カメラマンの言動や行動が明らかに業者っぽいと、式場から「あなた、本当は新郎新婦の友達じゃなくて業者のカメラマンでしょ?うちは業者の持ち込み禁止だよ。」と突っ込まれる可能性が出てきます。

そこで今回は、結婚式当日に式場からのそんな突っ込みを回避するためのポイントをお伝えします。

(友人としてのカメラマンが撮影できる写真の詳細はこちら↓)

友人として持ち込んだカメラマンは「本当はプロ」だと式場にバレている

業者のカメラマンを友人として持ち込んだ場合、式場には十中八九バレてます。ゲストの中に一人だけ、2台のカメラ、複数の交換レンズなどの装備をした人がいれば、誰の目にもプロにしか見えないでしょう。

式場スタッフは「あの人絶対プロでしょ!」と気づきながらも、それをカメラマン本人に言葉でぶつけることができないのは、カメラマンが「新郎新婦の招待を受けた友人である」という事実があるからです。

逆に言うと、カメラマンが新郎新婦の友人として不自然な行動をとると、式場から「業者じゃないの?」と突っ込まれる可能性が高まります。

友人として、持ち込みカメラマンはどう振る舞うべき?

お互いを「〜さん」と呼ぶことに慣れておこう

まず、新郎新婦はカメラマンを、カメラマンは新郎新婦を「〜さん」と呼ぶことに慣れておきましょう。

ゲストとしての持ち込みに慣れていないカメラマンだと、当日についうっかり「ご新婦様」と呼びかけてしまうことがあります。どう考えても、友人から新婦への呼びかけとしては不自然ですよね。

事前打ち合わせの場などで、お互いに「ほどよく親しい言葉遣い」に慣れておけば安心です。

集合写真の時の自然な行動とは?

「集合写真は式場専属カメラマンのみ撮影可」という式場では、集合写真のみ式場専属カメラマンにお願いし、その他の撮影をゲストとしての持ち込みカメラマンにお願いするという方法もあります。

その場合、「式場専属カメラマンが撮影する集合写真に、ゲストとしての持ち込みカメラマンは写らないでほしい」という花嫁さんもいるでしょう。

しかし、ゲストの一人であるはずの持ち込みカメラマンが最初から集合写真の輪から外れていると、式場から「あなたもゲストなんですよね?」と突っ込まれかねません。

なので、最初は持ち込みカメラマンにも他のゲストと一緒に並んでもらい、式場専属カメラマンが1,2回シャッターを切ったらさりげなくその輪を抜け出してもらいましょう。その後も続く撮影の様子を、下の写真のように撮ることもできます。

料理は食べてもらう?

カメラマンをゲストとして招待するということは、席・料理・引出物も他のゲストと同じように用意するということです。

特定のゲストだけ「席も料理も引出物もいらない」と式場に伝えることはできますが、明らかに不自然なので「新郎新婦の友人」という前提を強く疑われることになります。

さて、用意してもらった料理ですが、カメラマンによっては新郎新婦のお色直し中などのタイミングで口にするという人もいます。

私の場合は、中座中もゲストの様子をできるだけたくさん撮りたいのと、その後トイレに行きたくなるのが怖いので、料理には手をつけずに水分のみいただくようにしています。

ただ、たくさんの料理が手付かずのまま下げられるのは心苦しいので、私の席を「食べ盛りのお子さんのいるテーブル」や「新郎の友人テーブル」などに用意してもらい、可能な範囲で他のゲストに私の分も食べてもらっています。

マグナス東京の前菜

引き出物は持ち帰ってもらう?

私の場合、引き出物については「すでに撮影料金をいただいているので引き出物まではいただけない、できればその場でお返ししたい」というのが本音です。ただ、式場内で新郎新婦とそんなやりとりをするとスタッフの疑いの目がますます強まります。

もし「引き出物は返してほしい」という新郎新婦さんがいたら、式場を出たところで家族に預けてもらうなど、スタッフの目が届かないところでやりとりをするよう気をつけましょう。

バレた時の罰則が明確な式場への持ち込みは諦めよう

これまでに私がゲストとして撮影した結婚式では、式場から「あなた本当は業者でしょ」と撮影を止められたことは一度もありません。

しかし稀に、「招待の有無に関わらず、外部業者を持ち込んだ場合には、新郎新婦に違約金を請求する」という式場もあります。

目黒の雅叙園では「たとえ新郎新婦の友人として招待を受けたゲストであっても、特定の機材を使用した場合は持ち込み業者とみなし、10万の追加料金を払ってもらう」という規約書を新郎新婦に渡していたことが、一時期ツイッターで話題になりました。規約書の該当機材リストの中には、プロ機だけでなく、趣味用としても広く普及しているクラスのカメラもたくさん含まれていたことも注目を集めた大きな原因でしょう。

このように持ち込みに明確な罰則のある式場の場合は、リスクが高いので持ち込みは諦めた方がいいです…というより、そんな式場は最初から避けておいた方がいい。

「友人だろうが親戚だろうが、一眼レフカメラで新郎新婦の写真を撮ったら10万払え」というスタンスの式場で、結婚式当日に一人一人のゲストが式場から心からのサービスを受けられるとは、私には思えません。

※ 持ち込みについての式場への事前確認については、下の記事を参考にしてください。