KAORU MATSUMOTO Photographer
VOICE

「ありのままの自分」って?

私は昔から「ありのまま」とか「本当の自分」という言葉が苦手でした。理由は書けませんが、過去に色々あったのがきっかけです。 私は自己分析が大の苦手な上に、他人に言われた自分の良い印象を想像しても過去に自分がしてきた行動・言動を踏まえて考えると矛盾している気がして、とにかく自分の事のように思えなくて否定し「ありのままの自分」がよく分からないまま大学生になってしまいました。

写真なら、自分が他人にどう見えているかを知ることができる

しかし、私には表現者としての道を歩むという夢があり、今の大学で自己を出す訓練が多くなって「あれ?自分ってどんな人間だろう?」と嫌でも自問自答していく日々を送ってきました。 ある日、大学の先輩がポートレート写真をSNSにあげているのを見て、写真は自分がどんな人間か知るのにピッタリではないかと閃きました。言葉ではなく視覚的であれば、他の人には自分がこう見えているんだと知る事ができる、それを認識した上で自分のことが好きか嫌いか決めようと意気込みました。 しかし、私はモデルの経験がなかったのでどの人に撮ってもらおうか、だいたい撮影ってどういう流れなのだろうかと調べながら悩む中で松元さんが書かれた記事の一つを読みました。読んでいくうちに自分が抱えていた疑間や問題点は解消され「この人なら大丈夫だろう」と思い、勇気を出して松元さんに連絡を取りました。

1枚のチェキに写っていた自分の姿はまるで…

撮影前は緊張していましたが、2時間に渡る撮影はとても楽しく有意義な時間を過ごしました。通りすがりの人たちに見られても楽しいお喋りをしていたのか、何故か恥ずかしくありませんでした。 そして、撮影終わりに1枚のチェキを現像してくださりましたが、そこに写っていた自分の姿があまりにも素敵すぎて驚いてしまい思わず良い意味で「まるで自分じゃないみたい!」と興奮しました。

自分を肯定できる日々への第一歩

松元さんは「あなたの側にいる人達にも同じように見えてるんじゃないかな」とか端的に言えば「これがありのままですよ」と話されていましたが…いやいや、やはり松元さんの人柄と技量が"本当の私"を引き出してくれたんですよ、と私は今でも本気で思っていますよ。感謝してもしきれません。松元さん、どうもありがとうございました。 今回の撮影をきっかけに、初めて自分のことを好きになりました。まだまだ道のりは険しく、今後の予定も明確に決まってはいませんが、撮影の想い出を思い出す度に良いスタートを切ったな、自分を肯定できる日々への第一歩だなと思わず口角が上がります。 自分自身を否定してしまう私に心から「大丈夫だよ!と言える日々は、もうすぐだ。今でも周りの景色が一段違って見える。なんか、前よりずっと美しい。