KAORU MATSUMOTO Photographer

ナチュラルな自分って?|被写体さんの声から#02

ポートレート撮影に来てくれた1人の女性。
後日送ってくれた感想の中に、こんなことが書かれていました。

出来上がった写真を見たとき、こんなにも写真に自分の内面が出るものなのかと驚いたのを覚えています。今まで自分のナチュラルな表情はあまり好きではなかったのですが、少し好きになれました。

この「自分の内面が出たナチュラルな表情」を知る機会って、意外と少なくありませんか?

友だちと一緒に写ってる写真。家でお姉ちゃんに撮られた写真。その姿が素の自分に近い人もいるだろうけど、少なからず撮影用に表情やポーズを作ってから写る人の方が多いですよね。

写真を通して自然体の自分を知るのは、なかなか難しそうです。

カメラの前では表情を作っている人でも、普段は色んな顔を見せています。家でのんびりくつろいでいるとき、趣味に没頭しているとき、好きな人のLINEを開くとき。そんな自分がどんな顔をしているか、見たことのある人はおそらく少ないんじゃないでしょうか。

気づいていないだけで、実はたくさんの顔の自分がいる。なんだか不思議な感覚ですね。

冒頭の感想の中でこの女性は、「今まで自分のナチュラルな表情はあまり好きではなかった」と書いていました。でもこれ、正しくは「好きになれる自分のナチュラルな表情があることに今まで気づかなかった」だと思うんです。

写真の自分は、ほんの一面にすぎません。それがまるで、たった一つの真実のように思わないでほしいんです。

ちなみにこの女性、感想の中でこんなことも言っています。

普段は自分がどう写っているのかを気にしすぎてしまうのですが、今回は全く気にせず自然体な自分でいることができ、あっという間の2時間で、本当に濃くて楽しい時間になりました。

写りを気にしないって難しいですよね。そのために一つアドバイスがあるとしたら、心を許せる人と“SNSに公開しないこと”を前提にした写真を日常の中でたくさん撮り合ってみること。

誰に見せるわけでもない自分たちだけの日常の写真なら、見たことのない自然な自分を知る機会になるかもしれないですよ。

(この方の感想の全文、写真は↓へ)