ウェディングフォトグラファーの松元馨(まつもとかおる)です。
持ち込み禁止の式場にカメラマンを持ち込む唯一の方法は、「カメラマンをゲストとして招待する」というもの。
その場合、カメラマンは1人のゲストとして動ける範囲で撮影を行うことになり、通常の撮影に比べると「立ち入れない場所」や「撮れないもの」が出てきます。
そこで今回は、カメラマン持ち込み禁止の式場で実際にゲストとして撮影した写真をご紹介します。
式場は、アルカンシエル南青山です。
式場 | アルカンシエル南青山 |
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挙式会場 | チャペル |
挙式の形 | キリスト教式 |
披露宴会場 | パリス キャッスル アンジェブランシュ |
挙式月 | 5月下旬 |
持ち込みカメラマンには、どこまで撮らせてもらえる?
持ち込み禁止であるアルカンシエルでは、カメラマンである私はあくまでも招待を受けた一人のゲストです。撮影の許容範囲も、ゲストの立ち入りが許される場所に限られます。
ブライズルーム、ロケーション撮影(ポーズ写真)、挙式リハーサル、親族紹介は撮影NG。挙式中は撮影OKですが、ゲスト席から動くことはできません。披露宴中は自由に動きながら撮ることができます。
挙式が始まるまで
アルカンシエル南青山の入り口。
今回は、あくまで一人のゲストとしての立場なので、カメラマンの私もゲスト待合室に案内されます。
受付の開始。
ウェルカムスペースに用意されていた大量の「ウコンの力」。
飲むときは、なぜか皆さん会場の端っこで。
挙式
挙式中は、他のゲスト同様に席からの撮影になります。
自由に動きながら撮ることはできません。
挙式中の固定撮影の写真で納得できるかどうかが、外注禁止の式場へのカメラマンの持ち込みを判断するための一つのポイントになります。
まずは新郎の入場。
お母さんによるヴェールダウン。
どんな言葉を交わしたのでしょう。
お父さんと歩調を合わせて、バージンロードを進みます。
距離のあるバージンロードだと、「早く進まなきゃ!」と焦ってしまいがちですが、ゆっくりで大丈夫です。
神聖な空気の挙式では、一つ一つの動作に時間をかけても、見ているゲストからは意外と気にならないものですよ。
入場する新婦の背中を見つめるお母さんのやわらかい表情が印象的でした。
お父さんから新郎へのバトンタッチ。
カメラマンの私が着席する場所を親族席より前にすれば、この場面ももう少しわかりやすく撮れましたが、今回は「退場のときの表情もたくさん残したい」という新婦さんの希望で、やや後ろのポジションから撮影しました。
祭壇に上がる新郎新婦。
この後、ゲストも起立して聖歌の斉唱→誓いの言葉となります。
指輪交換の前に、リングボーイ・リングガールの登場。
新郎新婦もいい顔で待ってます。
指輪交換後に、牧師とお祈りをします。
アルカンシエル南青山での挙式では、ヴェールアップ→ウェディングキスと続かないようです。
ここではヴェールアップのみで、ウェディングキスは署名後になります。
新郎→新婦の順に証明書に署名をします。
照れくさそうに笑う二人。
退場する二人の背中にカメラを向けていたのはお父さん。
ウェルカムパーティー
挙式後には、ゲストとの記念撮影や歓談の時間があります。
ここでの記念撮影は、ゲストとしての外注カメラマンでもOK。
楽しそうな顔。
披露宴(開宴〜中座)
カメラマンをゲストとして招待するということは、席も食事も引き出物も用意するということです。
式場側は、それによって少しでも売り上げを伸ばしたいということなんですね。
他のゲスト同様に次々と運ばれてくる食事を口にするかどうかはカメラマンによるのですが、私の場合は撮影に集中したいので水分のみいただくようにしています。
ただ、せっかくの食事が無駄になってしまうのは心苦しいので、可能なら同じテーブルのゲストに食べてもらっています。
事前に新郎新婦に相談をして、私の分もさりげなく食べてくれそうなゲストと同じテーブルに私の席を用意してもらっています。
壁に飾られているのは、懐かしの写真。
披露宴会場となるパリス。
テーブルにはゲスト一人一人にキャンドルが。
実はこのキャンドルからは、後ほどメッセージが浮かび上がります。
入場前には、会場後方の壁面を使ってのプロジェクションマッピング。
後方の扉から入場。
一礼のタイミングや高砂までのルートは、キャプテン(会場担当者)が先導して教えてくれます。
まずは、新郎からのご挨拶。
新郎側のゲストからのお祝いの言葉。
続いて、新婦側のゲストからも。
乾杯!
新婦が鳴らすベルが、お食事スタートの合図。
高砂には次々とゲストが集まってきます。
ここでの記念撮影は、ゲストとしての外注カメラマンでもOKです。
ケーキカットは、高砂の隣で。
それ、新婦さんへの量!?
みんなが大笑いする中、やんちゃなケーキの量に若干引いてる女の子。
新郎へのファーストバイトはスコップで。
お色直しのため、新婦は中座。
エスコート役として呼ばれたのは、お母さん。
通常の撮影であれば、会場を出た後にエスコート役の人と記念写真を撮ります。
ゲストとしてのカメラマンが撮らせてもらえるかは状況によって微妙なところですが、このときは一緒に会場を出て二人に声をかけて撮らせてもらいました。
新婦の中座後、高砂には新郎のみとなります。
大抵の場合、新郎側のゲストが高砂に来てくれますが、遠慮しているようなら新郎の方からゲスト席をまわってもいいと思います。
新郎中座のエスコート役は、二人のお姉さん。
唇をかみしめるような表情のお父さん。
会場を出たところで記念撮影。
続いて、プロフィールムービーの上映。
今回のキャンドルリレーは、新郎新婦の再入場前にゲストの手によって行われました。
キャンドル点火→会場暗転→キャンドルの火の輝きの中で新郎新婦再入場という流れです。
こんなアクシデントも、後で振り返ればきっといい思い出。
披露宴(再入場〜おひらき)
新郎新婦の再入場。
火のついたキャンドルに、カバーをかぶせるゲスト。
そこには…
新郎新婦からのメッセージが。
ここで再びご歓談。
新婦側のゲストによる余興。
新婦にまつわるクイズに、新郎が答えていきます。
ゲストも楽しんでました。
続いて、新郎側のゲストによる余興。消防隊員が「ハートに火がついている新婦」を探し出すというストーリー。
高砂の二人にキスをせまる消防隊員。
挙式のときとはちょっと違う、恥ずかしそうな表情。
新婦のお母さんも楽しんでました。
ゲストとしてのカメラマンにはポーズ写真の時間はもらえないので、後ろ姿なども披露宴の流れの中で撮っていきます。
何やらゴシゴシこすって大笑いしている女性ゲスト。
キャンドルのメッセージ、摩擦でも浮かび上がることに気づいた!
ご両親へのメッセージ。
記念品の贈呈には、新郎新婦が自分の両親に渡す「ストレート」の他に、相手の両親に渡す「クロス」、二人揃って新郎側両親→新婦側両親の元を順番に回る形もあります。
お父さんからのお礼の言葉。
続いて、新郎からのご挨拶。
感謝の言葉はゲストだけでなく、新婦のご両親にも。
この後に上映されるエンドロールムービーをご両親も観る場合は、新郎新婦のみ退場。
ご両親はムービーを観ないのであれば、新郎新婦と共にご両親も退場します。
一人一人のゲストと言葉を交わしながらのお見送り。